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為末大からのメッセージ

2009.11.06

 Jリーグで表彰式問題が大きくなっています。なんともけしからん。こちらで入る情報では世の中の反応はそういうものが多いです。実際の所はどうなんでしょうか。
 とあるファンの方からメールをもらいまして、この問題について考えこみました。

 個人的な実感として、スポーツの世界ではこういうものはいつ出てきてもおかしくないように感じていました。アマチュアスポーツでは、礼儀正しさが身体に叩き込まれていますから、今まで起きませんでしたが、根源的な問題としては我々も同じようなものを抱えているような気がします。

 職業ですから何かを提供して、我々は収入を得ています。提供するものが、夢なのか、勝利なのか、イメージなのかはさておいてスポーツ選手は何かを提供しているから、こうして収入を得れているわけです。
 これがもしダイレクトな私のような場合だと非常に話はわかりやすい。真実であろうとなかろうと、週刊誌に何か書かれると、収入が減るわけです。つまりこの場合は先方に提供していたのはイメージだったという事になります。勝利であれば、負ければ収入が減る。礼儀正しさであれば、表彰式での態度も提供をしているサービスのうちの一つになります。
 もう一歩踏み込めばスポンサーは、その選手を見ているファンを一番に意識しているわけですから、選手の顧客とは、スポンサー並びに世の人々という事になります。

 しかしチームスポーツやどこかに所属している場合これが見えにくいわけです。例えば野球選手やサッカー選手などはもうシステムとしてすでに存在している世界に入っていくわけですから、まるで会社があってその給料をもらうようなイメージになります。個人事業主が取引先に対するイメージと、社員が会社に対するイメージといえばいいでしょうか。
 
 つまりまるでなにか確かなものがそこにあって、少々な事をしたぐらいでは壊れやしないだろうという意識が後者の場合生まれやすいのです。実はそんな事無くて、球団と協会とそれからファンの必死の努力で成り立っているのですが、それが見えにくい構造になっています。ダイレクトでないからですし、そして且つて壊れた事も無いからです。

 実はアマチュアスポーツも似たところがあって、例えばこの大会のスポンサーはどこで、自分たちの出場料や賞金はどこから出てるのか。そういうものを選手達に教育している協会はほとんど無いと思います。
 それから実業団選手は、所属企業が自分たちに支払うお金はどうやって作られているのか。ましてやアマチュアの場合雇用される場合が多いですから、宣伝広告のような一方的に切れるものではなくて、雇用の責任が生じ勝手に切れないランニングコストが増える事の意味、自分たちに支払われる保険や年金の意味など、これは雇用主としては結構重たいものを抱えるわけです。これも意識して教育している、チームは少ないでしょう。

 大人になると行動に理由を求めるようになります。おとなしくしろ、スポーツマンらしくしろ。そういってもコーチが絶対の高校時代でなければ従わない選手もいます。意味がわかっていないからです。
 サッカー選手のパーソナリティーはよく知らないので勝手な事は言えませんが、もしお金の流れを、組織の仕組みを、今回のスポンサーの理念を思いを知っていたらば、もしかしたら話は違ったのかもしれません。
 

 昔、アスリートは余計な事をしなくて競技だけやっていればいいと叱咤された事がありますが、もしも競技以外の、例えば表彰される事が余計な事だと選手が判断したらば、同じ事がアマチュアスポーツでも起きていたかもしれません。というより、あの頃の我々の世界と今の基本的な意識は変わっていないから今から起きるかもしれません。

 あんな事して悪いやつらだ。そんな風に横目で見ていそうなアマチュアスポーツ界ですが、協会が意識して選手の意識改革をしなければ、そんなに遠い向こう側の話ではないような気がします。 

2009.11.06 | 固定リンク | コメント (8) | トラックバック(1)