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2009.11.02

singapore

 以前機会があってシンガポールに行ったので、その感想記を書きます。

 一人当たりのGDPだったかが日本を超えたと言われているシンガポールですが、到着してすぐこれは完全な先進国だなと思いました。アジアにある特有のタクシーの混雑がありません。ヨーロッパの空港に降り立ったかのようなスマートさです。タクシーに乗ってホテルまで走りましたが街並みの何ときれいな事。
 南国アジアにぽつんと近代国家を作り上げたというような印象です。

 翌日街に出ましたが、 町は本当にきれいです。アジアを幾つか見ていますが、ダントツの街並みのきれいさです。日本に近いものがあります。人種は中華系をよく見ますが、現地の人種(たぶんマレー人)も半分くらい見ます。後は白人も案外見ます。
 食事は中華系が独自の発展をしたようなもの。チキンライスとペーパーチキンがおいしかったです。あと深夜に食べたばーく、、、なんだったか忘れましたが胡椒がいっぱいのおかゆもおいしかったです。要は食べ物はなんでもおいしい。
 見たところ、ファッションにも結構気を使っていますし、つまりはすごく裕福なんでしょう。ゴルフをやる人にはマレーシアまでふらっと行けばゴルフ天国らしいです。

 街の大きさは23区より小さいのかな、そのくらいだと言っていました。経済の作りといい、なんとなくモナコを思い出します。
 マーライオンは意外と小さくて、なぁんだという感じです。さすがスターバックスはその周囲に店舗を押さえていて、看板をでかでかと出していました。

 
 さて肝心の国の作りの方ですが、これは昔から言われていますように、『明るい北朝鮮』という表現がぴったりきます。少し幾つか紹介します。

・人生の分かれ目

 14歳で人生を分けるテストがありますが、これで人生が二分されるとの事。ようは上流か下流か。これをひっくり返すのは至難の業のようで、14歳を迎えるときは家族総出で試験勉強をするそうです。

・徴兵
 
 21歳から徴兵が2年間あり、これは何人も避けられません。上の条件とさらに人口を考えると、まずこの国からスポーツ選手のスターが出てくる事は難しいでしょう。

・出稼ぎ労働者

 国のブルーカラーはマレーシアから出稼ぎに来ている事がほとんどですが、(この辺はサンディエゴとメキシコの関係に似ています)彼らが国内に24時間以上滞在する事は違法とされています。寝るのは必ず自国でないといけないわけです。
 おもしろいのはそんなマレーシアが隣国ですから、向こうで安い物価で買い物してくればいいじゃないかと思いますが、そこもしっかりチェックしています。例えばマレーシアに出国する際、向こうではガソリンの値段は半分くらいなんですが、出国の際4分の3以上ガソリンが無いと、数百㌦の罰金が課せられます。

・黄色と黒のバーが両サイドに立っている交差点

 ここで事故があった場合、どんな理由であったとしても100%車側の責任になります。例外はないそうです。

・タックスヘイブン

 云わずと知れたタックスヘイブンで、法人税は驚くほど安いです。日本では40%ほどですが、シンガポールでは10%程度、安いともっと安いです。更には海外での利益は一切非課税。つまりこの国はこの国のシステムをもって商売を世界の金持ち相手に行っているわけです。

・ガムの持ち込みは違法

 国内で噛むのも違法です。とはいえこっそりはみんな持ち込んでたりはするようですが。

・死刑

 近代国家の中ではおどろくほど死刑が多い国です。麻薬所持、誘拐殺人、強盗殺人などなど、全部死刑です。ここにもグレーゾーンはありません。
 
・むち打ち

 むち打ちという刑もあります。噂では刑務所周辺(小さな国家なので刑務所は町中にあります)にサイレンが響き渡るとむち打ちの合図だそうです。ちなみにむち打ちと言っても、えいやというようなかわいいものではなくて、一撃で失神したりする事もあるような強烈なものらしいです。

・食料自給率ゼロ

 食料自給率は0%で、しかも水も出ません。水は外から引っ張ってくるか、もしくは最近完全リサイクルの水があるようです。金融を中心にして、食は潔く諦めている。そんな印象です。世界のボーダーがなくなればなくなるほど、食料はどこか一カ所で作られるようになるでしょうから、ここまでやってしまってもいいのかもしれません。確かモナコもかなり低かったと思います。

・lee kuan yew

 恥ずかしながら私もシンガポールに行くまでは知りませんでしたが、食料も作れず、水も無く、資源も無く、武力も無く、何も無かったシンガポールを今の形まで持っていったのは彼です。彼の事はまだよくわかっていないのですが、良いと評するところもあれば、悪いと評するところもある。いずれにしても善悪を除いて、天才なのは間違いなさそうです。
  
 

 その他いろいろとありますが、要は

 選民思想、性悪説、秩序、富

 あたりを意識して作られた国家だと言う事でしょう。人は本当に自由になると生きてはいけない、責任を自分で負っては生きていけない。そういう思想をもっと明確にして作っているような気がします。

 それから選民思想ですが、これはつまりは優秀さは生まれか教育によるものかというと、生まれだろうという思想に基づいて作られているという事です。14歳ぐらいで優秀さはある程度わかるわけですから、そこからその層に教育を意識してつぎ込んで、更には彼らにたくさん子どもを産んでもらう。実際に、大卒女性に対して子どもをたくさん生むような政策もとられた事があるそうです。
 優秀な人が子孫を増やせば、優秀な人材が増える。つまりある意味で、DNAを信じたダーウィン的な発想で作っているように思えます。民主主義が発展していれば絶対に不可能な方向です。

 秩序は絶対の国家です。性悪説にたった上でいろんなルールが作られています。人は枠組みが無いと、決められたルールが無いとかならず悪い方向に向かう。だからグレーゾーンを極力無くして、どちらかを明確に判断できるように法の整備を行っています。

 つまるところ、如何に独裁であれ、グレーゾーンの自由が無くとも、裕福であれば幸せだろうという仮説のもとに政治が進んできています。確かにそれはある意味で的を得ているように今回思いました。
 40年で国家がこのスピードで成長するなど本来はあり得ませんが、それを成し遂げたのは民主主義的でなかったからというのがあります。
 民主主義は安定と平等を生みますが、しかし意思決定に時間がかかります。そして思い切ったドラスティックな方向に向かう事をいやがります。その点、独裁国家はスピードが速い。会社が急成長する時も、それから陸上チームが急成長する時も、だいたい一人に全ての権限が委ねられている独裁状態である事が多いです。もちろん独裁ですから、組織の中からある程度自分で考える力は奪ってしまいますが。

 裕福で近代的な北朝鮮。徹底した現実主義。シンガポールに興味が湧いてきました。

2009.11.02 | 固定リンク | コメント (11) | トラックバック (0)

Comment

テーマと関係のないコメントは削除させていただきます。

町の綺麗さは外国の方が優れていると思います。

罰則もあるからかも知れません?

一人一人の心がけで町が美しくなると思います。

行っていないところの色々な様子を書いていただいて、ありがとう御座いました。

投稿者: ムータン (Nov 2, 2009 10:18:35 AM)

シンガポール良いですね。私もシンガポールには一回行ってみたいと思っています。為末選手の感想を読んでますます行きたくなりました。

投稿者: ペコ (Nov 2, 2009 3:28:23 PM)

すごい国ですね。
知りませんでした。
行ってみたいかなぁ~、いや、まずはもっと他に行ってみたい国があるかもしれないなぁ~。

投稿者: きゃ (Nov 2, 2009 4:45:30 PM)

こんにちは☆

個人的ツボで3分ほど笑ってしまいました^^。すみません。なんだかジェットコースターに乗ってるような。
為末さんってほんと面白い方ですね^^。
普段のお喋りもこんな感じなのかな^^。
まさかね。
ちょっと想像しただけで・・^^
ごめんなさい。

さて、前回の『ルール』に引き続き、大変興味深くお話を読ませていただきましたよ。
前回も相変わらず、自分の視点でしっかりと丁寧にお話されていて、いかにも為末さんらしいです。
しかし、いまいち話の本筋が見えず^^、少し躊躇してしまいまたが。
今、ようやく・・☆
どなたかのコメントの中に、随分と前にメールでお話させて頂きました言葉がありましたが、
‘日本の選手’にとっての『ルール』や‘日本の各スポーツ’の『システムのルール』であっても、スポーツをひとつの会社と考えた場合、あるいは国家と考えた場合、現日本でのそれは『いい』『悪い』『強い』『弱い』などの概念も含め、どこに向けて発するかによって、発する場所によっても、言葉のニュアンスどころか、捉え方までもがかなり食い違ってくるのではと、かなりズレが生じるかと、やや慎重になってしまいす。勝手に^^。
組織全体の規範意識の中で、どこまで各個人の規範意識が成されているのか、
いや、各個人の規範意識の中でどこまで組織全体の規範意識が成されてるいるのかと。
また社会全体の規範意識の中でその地域や個人の規範意識がどう育んでいるのかと。
難しいですね。
今回のお話、とても分かりやすい例でこれまた深い。
急成長を遂げた明るい北朝鮮^^、シンガポール、ちょっと興味があります。
そして北朝鮮、今のアメリカとこれからの日本の裁量と外交能力が大いにものをいいそうですが・・、どうなんでしょう・・、やはり気になります。

それにしても、シンガポールいいですね☆
町はきれそうだし、いろんなもの見て、美味しいお料理もいっぱい食べたいなぁ~☆
シンガポールのスポーツや音楽なども気になるなぁ~☆

(・^-^・)☆

話半分にしました^^。

投稿者: karen-t☆ (Nov 2, 2009 6:54:13 PM)

tame(=^・・^=)にいさん、おはようございます。
確実に気温が低くなっておりまする。毛布にくるまって、海苔巻状態で、これを読んでいますが、すごく、おもしろい感想ですねぇ~~!!(*^^)v
以前一緒に働いたその国のおっちゃんを思い出しました。
なつかしいです。^m^
じっくりと、読み込んでまた。お邪魔します。
お初ハロインも楽しみましたか?( ^)o(^ )
かぼちゃの魔よけが効きます効きますように。。。。(=^・・^=)

投稿者: ゆりっぷ (Nov 3, 2009 9:48:46 AM)

シンガポールって、「へ~、そうなんだ!」と、読んでびっくりしています。
できれば、「明るい北朝鮮」と「北朝鮮」に1度行って、その格差・相違点を肌で確認したいです。
ルールと自由の範囲を、どの辺に引くかによって、政治体制も経済社会も個人の尊厳もこうして比べると随分はっきりと左右されるのが、分かりますね。
それによって、幸せの基準も、その国独特の事情(歴史や文化も)がありますが、当然違ってくるでしょう。ただ人間として最低の権利だけは保証する国、そこから全てのルール作りを出発して欲しいですね。

「ライムライト」「独裁者」「黄金狂時代」の3本観ました。
(モダンタイムズは、貸し出し中)
さすが、チャップリン!3本とも、とっても面白かったです。
中でも1番のツボは、「黄金狂時代」でした。
ありがとう。大さん、ファンの皆さん ゚・:,。★\(^-^ )☆彡

投稿者: ダイ・ハート♪ (Nov 3, 2009 7:16:44 PM)

こんばんは(^-^)

はじめてコメントさせていただきますが、いつも楽しく拝見しています。
今回はシンガポールのお話でしたね

彼是20年近くの昔に1週間ほど旅をしたのを懐かしく思い出しました(^^;)
私には『貧富の差が激しい国だなぁ...』が正直な印象でした。

当時はマレー系の人と華僑の人の生活の場と
白人や他国籍企業(多国籍じゃありませんよ)の生活の場が
くっきりはっきり2分されている感じでした。

もちろん、塀があるわけでもなんでもないので(笑)
旅行者はどちらも行き来できますが全く別の国を見ているようでした。

植民地国の近代化はとかく貧富の差を生ずるのでしょうか
シンガポールほどでないにしろ香港もそうですよね。。。


為末くんのブログはいろいろな事を改めて考えさせられて刺激になります('-')

これからも楽しみに読ませていただきます。


投稿者: ☆ハイジ☆ (Nov 3, 2009 9:58:54 PM)

はじめまして。

友人のシンガポール人もカメラマンは「シンガポールに二、三ヶ月いると退屈で頭がおかしくなる」と言っていました。

厳罰方式の国(日本もそうですが)は、どこかでひずみが生まれて、住み続けるには社会的プレッシャーが強すぎるのかもしれません。

旅行する分には安全で良い国ですが、住むには・・・・ちょっとという印象をブログから受けました。

投稿者: ユウキ (Nov 4, 2009 12:49:07 AM)

大さんこんばんは。

シンガポールってそういう国なんですねぇ(@_@)
私はシンガポールという国に対しての知識を、
小さな国ということぐらいしか持ち合わせていなかったので、
ビックリしました(οдО;)
日本というか日本人は相手への思いやりからかグレーZONEが多いですから、
黒or白ではっきり決めてしまうシンガポールとは全然違いますね。
私は日本のそういうところ好きですけど(笑)

シンガポールについてとっても勉強になりました。
いつか働きだしてお金が貯まったら、
友達と行ってみたいです( ´艸`)

投稿者: まみ (Nov 4, 2009 10:09:49 PM)

singapore

singaporeが『明るい・・・』と表現されている国とは
知りませんでした。

何も知らない私には衝撃的な表現に感じてしまいましたが
一般的によく使われる表現なんですかね。

人生が上流,下流とハッキリ分けられると言う事は
きっと格差も激しかったり・・・。

でも singapore に訪れた事のある友達は
貧富の差は大して感じなかったと言っていました。
(観光で訪れた程度ですが)

singaporeの人々は上流になろうと下流になろうと
きっと明るく楽しくその人生を全うしているのかも?

決められたレールの上を自分なりに楽しむ人生。
その生き方が裕福なように感じさせるのでしょうか。

大切なのはお金じゃない事を
証明してくれるような国なんですかね-。

singapore。 全く知らんけど

投稿者: まてぃ (Nov 5, 2009 12:01:54 AM)

為( ̄∀ ̄)兄さん♪その視点を妄想して、鑑真さまの大河スペクタクルも見て…歴史は二度繰り返すの映画タイトルが思い浮かびました。
その顧問相?が( ̄・・ ̄)現役バリバリの時代や実現背景や
数学的な表現するとx軸とy軸の関係が明らかに私の頭の中で素晴らしくスパイラルを描く
国の組織の企業の会社の…(・_・)エッ..?ワケワカメ?
やっぱり鑑真さまの修行導入スペクタクルは大切なものを伝えて下すった…(⌒~⌒)あしからず。さてと、次の能力トレーニングへε=ε=┏( ・_・)┛

投稿者: ゆりっぺ (Nov 5, 2009 11:41:02 AM)

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