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2008.03.12

スモールワールド 1

 今日はちょっとだけ私のアイデアの話をさせてください。そもそも最初は環境問題について考えていた時に、こうやってみたらどうだろうと思いついたのがこのアイデアなんですが、そのうちに人間関係にも当てはまるなと思うようになりました。行動による影響と責任が、実感できるのではないかという話です。

 環境問題の本質とは、アル・ゴアさんが言ったように『真実であるが不都合である』という言葉が当てはまるように思います。間違いなく起きている変化なんだけれども、面と向かって対応するには面倒で難しくて複雑すぎて、考えないほうがましだと思ってしまうからです。間違いなく地球環境は変化していますし、その影響を受けた様々な気象の変化も実は自分たちで実感しています。

 環境問題を難しくしている点が、みんな環境を悪くしようとして行動しているわけではないという点です。日常の生活を特に意識もせずにただ暮らしているだけ。それの何が環境に悪いというのか。確かに環境問題が叫ばれるまでは何とも言われていなかった暮らし方が、急に悪であると言われ始めても納得いきません。環境問題とは、何もしないことがよくありませんという、いきなり行動を突きつけられたところに戸惑いがあります。発展こそ正義、拡大こそ王道と進んできた市場経済が、善悪ひっくり返されて戸惑っているのがこの環境問題です。

 もうひとつ我々の心に潜むやっかいな問題が、自分の行動がそれほど環境に影響しているとは思えないから、行動を変えたところで何も変わらないだろうという意識です。

 あまりに大きな動きを目の前にしたときに人はむしろ無関心になってしまいます。それは自分一人が動いたところでどうしようもない範囲での事だからです。政治もしかり、環境もしかり、外交もしかり。誰かパワーを持った人間がやるだろうというところに落とし込んでしまいます。行動の影響を感じにく過ぎるほど、環境問題は大きな問題なのです。それはそうでしょう、地球と我々との問題ですから。

 ではどうすれば、人は自分の行動の影響を知るのか。これを考えていましたら、どうも小さくすればいいんじゃないかなと思い始めたのです。小さくするのです。世界を。擬似的にでもかまいません。そういうものがあると人は自分の行動の影響をダイレクトに感じるようになるのではないでしょうか。小さくするのは日本の得意分野です。

 ゴミを出します。ちょっと面倒だったので、ペットボトルも缶も何もかもひっくるめて出してしまいました。ごみ焼却場が家から30mのところにあります。仕分けがされていないぶん、そこで大変な思いをするのは、自分の兄です。今日は大変な思いをしたよ、食卓で話をする兄の余計な仕事の原因は、隣で食事をしているあなたです。

 川にゴミを捨てました。人が見ていなかったから。次に日に水道から出てくるのはそこの川の水を汲み上げたポンプからです。なんか水が汚れてきたね、と母親が話しました。

 こんな町に誰がしたんだ。そもそもあの市長が悪いんだ。そう居酒屋で叫びます。居酒屋は町に1軒しかありません。すぐ市長に話が伝わります。自分の職業は町に1人しかいない市役所の公務員です。

 あんな市長を選んだつもりなんてないんだ。誰が選んだんだ。前回の市長選で市長は8票で当選しました。責任の8分の1は1票を入れたあなたにあります。

 これだけ小さくしてしまうと言い訳はできません。すべての問題に自分は関わっていて、すべての原因の結果を自分は被っているのです。

 2へ続く

2008.03.12 | 固定リンク | コメント (18) | トラックバック (0)

Comment

テーマと関係のないコメントは削除させていただきます。

めんどくさいという過程に来てしまう前はゴミ捨てなどを積極的にしていた人達も”もうこれ以上努力してもどうしようもない”地点に来てしまったから逆に気が抜けてしまっていると思います。最初はみんな頑張るんです。でもそれをどう続けていくかというのが問題ですね・・

投稿者: ニマ (Mar 12, 2008 6:23:14 PM)

こんにちは。

ここまで関係を噛み砕いていくと面白いですね。納得!という感じがします。
自分の全ての行動や、因果関係分析してしまいそうです。

Part2☆楽しみにしています。

投稿者: さえ (Mar 12, 2008 6:24:48 PM)

不思議なもので、最近私も同じような事を考えてました。
内容は多少違いますが、
自分のとった行動は自分に帰ってくると、、、
良い事にしろ、、、悪い事にしろ、、、
この齢なってフッと振り返るとそうなんですよ、、、
まっ、、、それだけ齢を重ねたんですね。。。
今になって分かるとは、、、合掌、、、

投稿者: WING (Mar 12, 2008 9:39:46 PM)

今日のお話は…ドキッ!グサッ!…反省しちゃいました(>_<)

分かってるんだけど、当たり前に、とてつもなく大きい世界だとしか思っなかったなぁ。

でもステキなアイデアを頂いたので☆発想を変えてみたいと思います!

為末さん、感謝です☆

投稿者: ミウ (Mar 12, 2008 10:57:09 PM)

こまめなメッセージ嬉しいです。
しかも、環境問題☆
どこにいても、どこまでも、引き寄せますね。^^いや、引き寄せられます☆
会ってから、ゆっくりお話ししたいところですが・・
また、メール致します。
しかし、為末さん、あなたって、ほんとおもしろいですね。頼もしいです☆

合宿、頑張って☆

おやすみなさい☆チュ

投稿者: karen-t☆ (Mar 13, 2008 12:18:44 AM)

環境問題を考えるとやはり、いつも全ては繋がってると思います。pat2どんな展開になるか楽しみです。

投稿者: monono (Mar 13, 2008 12:45:09 AM)

為末さんのメッセージは本当にためになるし、理論や発想が素晴らしいし、面白い。
一流のアスリートでありながら、実践的哲学者のような為末さんて凄すぎると思います。
大ファンです。

投稿者: nori (Mar 13, 2008 2:39:07 AM)

為末選手こんにちは!

為末選手は倫理の教科書に出てもおかしくないくらいの話をしますね(^_^)笑

環境問題については、色々考えると何も出来なくなってしまうので自分の出来ることからやろう!という風に考えています。
先日、NHKの番組でヨーロッパの企業は環境意識がものすごく高いということを知りました。二酸化炭素の排出量基準に満たしていない企業は、他の環境基準を満たしている企業から排出量の権利をお金で買い満たしたことにするらしいですね。ペットボトルもリユースが常識で、購入者も傷がたくさんある重い飲料類を当たり前のように買って行きます。直接的な考えだけではなく、この商品が飛行機で輸送されたものかどうかまでシール等で一目で分かるような徹底ぶりです。

為末さんが世界一のハードリング技術を持つように、日本は世界一の技術を持っていると思います。今まで何かを犠牲にしながら培ってきた技術を新しい環境に配慮した技術で返して欲しいですね。

投稿者: 為末選手応援しています! (Mar 13, 2008 9:27:02 AM)

環境問題は考えれば難しいですね。
でも、為末さんはいろんなことをいろんな角度で考えることができるのでスゴイと思います!良いことも悪いことも、結局は自分にかえってくるものだと思います。

大気汚染で北京オリンピックの競技出場を辞退する選手もでていますね。為末さんのことが心配になってきました。。。

投稿者: よーこ (Mar 13, 2008 9:54:04 AM)

エコをするには、ただ、ノーマネーであることも多い気がします。(エコバックとか、使いまわしのビニール袋とか)しかも、節約できて、こころも、身体にも、経済的にも、豊かになると思っています。住みよい環境になると思っています。
ゴミのポイ捨てしないだけで、気持ちよくすごせます。
地球に生かされている人間なのに、地球が無かったら、人間も存在できないのに、これを読んでいるあなたは、地球に対して何か恩返しをしたことがありますか?

投稿者: 4090 (Mar 13, 2008 10:49:36 AM)

為末さん、こんにちは☆
とても分かりやすく説明されているので(妄想?)空想好きな私はすぐにスモールワールドの中に自分を置いてみました。
そうすると不思議と普通に車を運転することさえ空気を汚しているような気持ちになってしまいます。
エコについて何年後にはこうなるとかグラフや数字で目にしても、地球あっての自分である事を常に頭においておくのは容易いことではないと思います。何もかも便利になっていく世の中に反していても次第に窮屈になってくるでしょうし、でもちょっと「スモールワールド」を空想してみるだけで義務感に駆られることなく自然にできるような気がします。家族を大事にするように、人は小さなものを大切にしようという気持ちが働くのでしょうね。
 「スモールワールド」。柔軟で空想好きな子供たちにもすんなり入っていくのではと思いました。

投稿者: nori (Mar 13, 2008 11:40:08 AM)

為末さん、こんにちは。
また奥が深いメッセージですね。

環境問題と人間関係については、私も当てはまることが多いと思います。
問題は多岐にわたっていて複雑ですし、特に環境問題は大きすぎて本当に自分のしていることが効果があるのか正しいことなのか実感しにくいですよね。
効果や影響が実感できにくいところに問題はあると私も思います。
確かに私自身もリサイクルやごみの分別などには気を配っていますが、毎日車に乗っています。
一人一人の何気ない日々の行動が今ある環境を作ってしまったとすれば、責任は取らないといけないですね。
因果応報…良い種も悪い種も蒔いた自分が刈り取らなくてはいけません。

為末さんの仰るように、スモールワールドにしたらとてもわかりやすいです。
合宿の最中、大切な問題提議ありがとうございます。
続きを楽しみにしております。

投稿者: hiromi (Mar 13, 2008 1:58:33 PM)

スモールワールド、
とても奥が深くて、素敵なアイデアですね☆

地球の大気やエネルギ-が常に循環しているように、私達のライフスタイルや、社会をひとつの地球とみなしたならば、
この地球“小さな世界”の中で人間のとった行動の善悪も、必ず地球のように、循環して我が身に帰ってくるのでしょうか。

人と家族の繋がりも、人と地域の繋がりも、人と社会の繋がりも、そこで起こる善も悪も、『小さな世界』、この地球がひとつになっているのですね☆

“すべての問題に自分は関わっていて、すべての原因の結果を自分は被っているのです”

この事実、すべての人に知ってもらいたいです。

この大きな大きな地球の中で、小さな小さな人間にしてみれば、確かに自分の行動がどれほど環境に影響を及ぼしているのか、実感が湧いてこないですね☆
小さな私達の“小さな世界”のこの地球では、あきらかに、自分たちの起こした善悪の行動、そしてその循環がみるみる目に見えて実感できそうです☆

“小さな世界”に日々少しずつでも善をもたらせていきたいと思いました。
ありがとうございます。

『スモールワールド』、大人から子供まで、誰でも環境問題に取り組める、夢のある、希望に満ち溢れた、本当に素敵なアイデアですね☆


Part2、楽しみっo(^-^)oルンルン ~♪

投稿者: karen-t☆ (Mar 14, 2008 12:42:07 AM)

スモールワールド、
とても奥が深くて、素敵なアイデアですね☆

地球の大気やエネルギ-が常に循環しているように、私達のライフスタイルや、社会をひとつの地球とみなしたならば、
この地球“小さな世界”の中で人間のとった行動の善悪も、必ず地球のように、循環して我が身に帰ってくるのでしょうか。

人と家族の繋がりも、人と地域の繋がりも、人と社会の繋がりも、そこで起こる善も悪も、『小さな世界』、この地球がひとつになっているのですね☆

“すべての問題に自分は関わっていて、すべての原因の結果を自分は被っているのです”

この事実、すべての人に知ってもらいたいです。

この大きな大きな地球の中で、小さな小さな人間にしてみれば、確かに自分の行動がどれほど環境に影響を及ぼしているのか、実感が湧いてこないですね☆
小さな私達の“小さな世界”のこの地球では、あきらかに、自分たちの起こした善悪の行動、そしてその循環がみるみる目に見えて実感できそうです☆

“小さな世界”に日々少しずつでも善をもたらせていきたいと思いました。
ありがとうございます。

『スモールワールド』、大人から子供まで、誰でも環境問題に取り組める、夢のある、希望に満ち溢れた、本当に素敵なアイデアですね☆


Part2、楽しみっo(^-^)oルンルン ~♪

投稿者: karen-t☆ (Mar 14, 2008 12:43:34 AM)

(**)??

申し訳ございません。
お手数お掛けしますが、こちらも含め、削除、何卒よろしくお願い致します。

投稿者: karen-t☆ (Mar 14, 2008 12:58:38 AM)

このアイディア、そのまま公共広告機構のCMで使えそうな感じですね。


「もし世界が100人の村だったら」も
すごくわかりやすかったなと思います。
私は100人の村人のうちの1人しかできていないことが
できている恵まれた環境なんだと。


こういう考えかたって、たぶん大人に対してより
子供に対して発信していったほうが、
より、感覚的にとらえてくれるんじゃないかなーと思いました。

投稿者: mkat (Mar 14, 2008 4:34:55 AM)

初めてコメントさせて頂きます。

スモールワールド・・・たしかに日本では「自分がされて嫌なことは人にするな」と言う言葉に表されるように人間関係を上手い具合に縮小化して考えるのは得意な民族かもしれません。


最近、「環境問題は何故嘘が罷り通るか」という本が発売されましたが、この本は私たちがいかに環境問題をいい加減に考えていたのかがわかります。
古紙100パーセントの紙は実は環境省の利権だけであって本当は樹を切り倒してどんどん新しい紙を作らなければならない。ゴミの分別はしなくてもいい。リサイクルはあまりに無駄。地球温暖化で海水面は上昇しない。ダイオキシンは有害物質などではない。軽く挙げただけでも衝撃の内容が満載です。
更に、日本の環境利権の問題や世界での環境利権を巡る争いにも言及していて非常に面白い内容です。日本って実はヨーロッパよりずっと努力しているんです。
この本によって私にとって環境問題というのは地球対人間という漠然とした図式ではなく、国対国、政府利権対国民、地方自治体対住民と具体的に図式化・縮小化して考えられるようになりました。
それこそ為末さんの言う「スモールワールド」のような気がしました。興味がございましたら是非読んでみてください。

だらだらと長文失礼しました。
北京での快走、楽しみにしています。

投稿者: Harry (Mar 14, 2008 7:23:05 AM)

今日は。

環境の問題。深く考えて行かないと何れは自分に降りかかってくる。

小さな事でも人が寄れば寄るほど大きな力と為る。

トレイ、ビニールの問題が重視されていますね。


自覚の問題だと思います。"^_^"

投稿者: ムータン (Mar 17, 2008 1:31:50 PM)

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