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2007.07.05

義足のスプリンター

 昨夜、パリに到着しまして今日トレーニングに行ってきました。猛暑なんてなんのその。思ったよりパリは寒くて今日も天気が悪かったのでかなり肌寒かったです。日本の10月ぐらいでしょうか。
 今、大腿部の根元で動くというのを意識していて、それをトレーニングで確認してきました。雨が降ったりで中断はありましたが、合間を縫って感触は確かめられたかなと思います。

 今回のパリには義足のレースに日本代表選手が参加しています。名前は山本選手といいます。車椅子のレースは海外では頻繁に行われていて、グランプリなんかでもよく見るのですが、義足のレースはオリンピック以外では生で見たことがありません。興味津々でいろいろ聞きました。
 義足も最近では新しい素材や技術が開発されて、かなり性能がよくなってきているそうです。最近はよく選手間で話をしますが、冗談ではなく義足選手の方が速い時代が来るのではないかと言われたりしています。確かにその可能性は十分にあります。
 何度かここでも書いていますが、理想の動きというのは体の中心で作ったエネルギーを四肢が支えているだけの状態であると私は考えています。あくまで四肢は中心に振り回されるというイメージです。足を地面に突き刺すようにして、そこに体全体で圧をかけてその反力で前に進む。それが私が考える走るイメージです。
 山本選手が走っているのを見ていましたが、やはり末端が意識できないので、かなり中心部でコントロールしている印象を受けました。我々は生半可、末端部が動いてしまうだけにどうしてもそこでごまかしてしまいますが、それができない状態であれば中心部の感覚は当然、研ぎ澄まされて行くはずです。義足の選手の動きを徹底的に観察すれば、何か四肢の扱い方のヒントが見えてきそうな気がしました。
 無いからこそ、あるという事が分かる。出発前に盲目の子供たちが撮った写真展の話題を「朝ズバッ」でやっていましたが、最近そういう事を感じる機会が多いような気がします。

 どこが一番壊れやすいのか聞いたら、足の裏のような部分からグイッと曲がって足の部分に移行する部分だそうです。アキレス腱の部分にあたります。結局、何でも負荷がかかる場所は一緒なのかと、自分のアキレス腱をさすりながら妙に感心してしまいました。

2007.07.05 | 固定リンク | コメント (19) | トラックバック (0)

Comment

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無いからこそ、あるということが分かる・・・
う~ん、深いです。
今の私は、「人のモノ」を羨んだりせずに生きていくことが目標です。
良いレースができますように!

投稿者: asuka (Jul 5, 2007 2:16:13 PM)

為末さんほどではありませんが、私も足のことを考える日々を送っています。関節がすごぶる堅かったときには、自分の足とは思えないような感覚がありました。

人間の身体は、足りないところが生じると、それを補おうと働くようです。たとえば女性の卵巣。ひとつ取っても残りのひとつで、2つ分の働きをするそうです。同様に光を失った子どもたちも、聴覚や他の器官を使って、その距離感を上手にとっているのだと思います。身体本来のもっている連携は、本当に素晴らしい!こういうところから東洋医学は、端を発しているのかもしれません。

障害者のなかには、健常者がどうあがいてもかなわない人がいます。たとえばスティーヴィー・ワンダー。彼は盲目にもかかわらず(見えているってウワサもありますが(笑))、キーボードやドラムの演奏は健常者のそれよりはるかに優れたものを持っています。彼のようなレベルに到達するのは、不可能に近いですからね。彼をみると、人間はここまで感性を研ぎすますことができるんだな、とつくづく思います。

それにしても笑ってしまったのが、(義足の)どこが一番壊れやすいか、とたずねたところ。実に為末さんらしい話ですね(笑)。

投稿者: k330910 (Jul 5, 2007 5:17:23 PM)

目が見えない子供に、お母さんの顔が見えない、
と言われた母親が、息子に答えました。
「手を使って見たり、声を聞いて見ることができる。目が見える人よりも何倍もお母さんのことを知っているじゃないの」と。

わたしたちは、完璧な器を持って生まれてくるわけではありませんが、
生きる過程で自分に足りないものを補うこともできると考えます。
それは想像力の賜物なのだと思います。

為末さんの文章を読みながら、このブログを読む人に、扉を開いてくれているような気がしました。

投稿者: driver (Jul 5, 2007 5:36:54 PM)

青いお空のそこふかく/海の小石のそのように/夜がくるまでしずんでる/昼のお星はめにみえぬ/見えぬけれどもあるんだよ/見えぬものでもあるんだよ

ちってすがれたたんぽぽの/かわらのすきに だァまって/春のくるまでかくれてる/つよいその根はめにみえぬ/見えぬけれどもあるんだよ/見えぬものでもあるんだよ

今日のメッセージを読んでふっと思い出した、金子みすゞさんの「星とたんぽぽ」という詩です。ひょっとしたら大さんもご存じかもしれませんが・・・私もむかしから大好きな詩です。
ひとはどうしても、おおきく目に付くところにぱっととびついてしまいがちですが、あらゆる感覚を研ぎ澄まし、ものごとの「根っこ」を見つめる眼を養うことができれば、いまみている世界よりももっと豊かな世界がみえてくるのかもしれませんね。

パリの思わぬ寒さに体調を崩されませんように・・・ご自愛くださいませ☆

投稿者: gracefulman (Jul 5, 2007 6:17:47 PM)

ゆっくり体を温めてあげて下さい。体にしろ人にしろ、無くしてしまってからじゃないとその大事さに気付けないのかも知れないですね。元気に産んで育ててくれた親に今更ながら感謝しなきゃと思いました。

投稿者: 涼子 (Jul 5, 2007 9:06:37 PM)

いつかアキレス腱のお話を、ココのコメント欄に書きましたけど、サルが、ヒトになる過程で、筋又は、腱で、一番発達した所が、アキレス腱なんだって。ヒトの特徴でもあるともいえるかな。
以前住んでいた街で、義足の女性と、お友達になり、競技会に、ついていったり、練習みたりしていました。義足の技師のかたの家にも行ったことあります。でも、自分の体調のほうが、悪くなってしまい、それ以来逢っていません。元気かなぁ。
写真ですが、自分のペースである程度できるので、写真撮ってます。盲目の人が、写真を撮っている話題を私も注目していました。彼らはこころで、ものを見ていると私は思うので、よく見えているのだと思います。

投稿者: 4090 (Jul 5, 2007 9:56:58 PM)

義足の選手ですか。
私の娘の同級生に義足の高校球児がいまして、その当時メディアでも取り上げられ話題になりました。

ハンディーなど少しも感じさせる子ではなく、反対にそれ以上の頑張りをする子でした。

中学の時だたか、親子でドッジボール大会をしたのですが、私が当て、すぐ当て返すガッツさにはヤルナおぬしと大人気なくむかっときました。

TVで器具を作っておられる方の特集を以前に見た事がありますが、大変なお仕事(細かい技術)だと感心しました。

色々な事に興味がおありな所が私に似ています(^0_0^)

投稿者: モンタ (Jul 5, 2007 11:22:12 PM)

為末さん、わかったの!!

今更ですが、以前お話されてた筋肉の硬さについて遡りますが・・(ごめんなさい。話、大道から随分脇に逸れます。本当にごめんなさい。でも今とても、とっても嬉しいんです☆も-ね、メチャンコうれぴ-なんです☆フルイ?ギザうれぴ-なんです!・・スミマセン。。とにかく嬉しいんです☆)

〉理想の動きというのは体の‘中心’で作ったエネルギ-を四肢が支えているだけの状態
〉あくまで四肢は‘中心’に振り回されるというイメ-ジ
〉足を地面に突き刺すようにして、そこに‘体全体’で圧をかけて、その反力で前に進む
ナ、ナルホド~。ダカラナンダ~。。フフ。タメスエサン、ステキ。。
中心(内側)から体全体に反発を受けるんですね。反発力を腱で受け止めてその反動や刺激を中心から受ける分、筋肉もより中心に近い所から硬くなる方が反発も受けやすいと言うことなのかな・・
私はてっきり身体(特に足)と地面とが外側からの反発で筋肉が外側から刺激しあうのかなと・・
なのにどうして、「やわらかめの中の芯に硬さがある筋肉が理想・・」(以前ね)がちょっと理解できなかったのです。なんでそれが理想なのかな?と又なんでそんなことができるのかな?と。
反対だったらまだしも。と。
なんか、今更ですが、ほんと今更ですがちょっとだけ理解できました。フフ。ウレピ。
ねぇ?少しは理解できてるでしょ?? ヘ、ヘ~ン☆


『 サァ―・・』
ガクッ。。

まだまだ喋りたいけど、、今日はもう寝ます☆

おやすみなさい☆
ルン♪

ア、明日、試合頑張って下さいね。
感触掴んでモノにして下さいね☆

おやすみなさい☆

ルンルン~♪

投稿者: karen-t☆ (Jul 6, 2007 12:12:59 AM)

私は,義足選手が健常者より速く走るためには,健常者以上のトレーニングを積むことができなければ難しいと考えています.
義足は機能が向上しており,トレーニングを繰り返してもほとんど疲労せず,故障すれば部品を交換することにより機能が回復します.
しかし,義足の機能が高いだけで速く走れることにはならないのです.それは,この義足を動かす(操作する)のは,切断後の残存筋だからです.切断により機能が低下した筋で,健常者トップアスリート以上のパフォーマンスを発揮するには,相当な努力が必要になります.

投稿者: boss (Jul 6, 2007 12:28:10 AM)

身心の疲れはいかがでしょうか?自身の調整のヒントになる方とタイミング良く会えたものですね!たくさん吸収して糧にしてください☆
義足のスプリンター…パラリンピックの映像で観たことがあります。なんか、脚の代替ではなく、走るために作られていて驚きの形です。追い付かれるのも時間の問題?
朝ズバッ…始まりからみました。子供達の写真…視覚以外の感覚から感じて心動いたものにシャッターを切っている。「心動いたものにカメラを向ける」という点ではみんな同じですね。それにしても、子供達のイキイキ、キラキラとした表情が良いなと感じました。
為末さんの招待企画も夢ある企画ですね!朗報だと思いました。「私も」と行きたい所、これからブログを始めなければ(T_T) どうするか…締切日ギリギリまで考えます(^_^;)

投稿者: neichan♪ (Jul 6, 2007 12:54:10 AM)

『中心で作ったエネルギーを四肢が支えているだけの状態』んーなんか難しいですね。。。。


『無いからこそ、あるという事が分かる。』

 義足の方とは比べ物にならないかもしれませんが、私も怪我をして自由に動けなかった時に、自分の健康や五体満足に生まれてきたことを感謝した覚えがあります。
 日々の生活でついつい忘れがちなことですが、大さんのメッセージを読んで改めて思い直すことが出来ました。

投稿者: とも (Jul 6, 2007 1:45:33 AM)

義足は機械なので改良すれば健常者よりも速く走れるとおもいます。
 陸上選手は末端部分が細くなるように進化していますから、義足でヒザ下を細く作り、衝撃に耐える強度を持たせれば運動効率がよりよくなります。
 義足の特権はふくらはぎの筋肉を使わなくて済むということです。 体の中心から遠く、筋量が少ないふくらはぎは疲労しやすい部位です。 私はふくらはぎは走るのにあまり必要ないと
考えています。 ふくらはぎは後ろに足が流れているときに頼りがちな筋肉です。 できれば足を体の前でさばき極力ふくらはぎを使わないようにしたいものです。 100mはスタートで爆発的加速を付ける為にふくらはぎを動員しますから義足が勝つにはまだまだ壁があるでしょう。 しかしロングスプリント400m系では疲労のメカニズムそのものが変わってきてとんでもない記録がいずれ出るような気がします。

投稿者: 在日朝鮮人の公共料金徴収人 (Jul 6, 2007 7:33:08 AM)

お~~~義足のランナー。
ありがとうございます。取り上げていただき。
彼外国遠征中だったんですね。
われわれ障害陸上競技者には良い励み&刺激になります。
彼ね・・・幅跳びも凄いの・・・義足で踏み切るんですが・・・

調子がいいと、上半身の前後の動きが少ないのですが、悪いと前後の動きが大きくなるって・・・参考までに・・・

投稿者: WING (Jul 6, 2007 8:37:56 AM)

あ―、なんて散漫なぁ・・
一晩寝かせればよかった・・
為末さん、取敢えず訂正致しますね。
私が感じたこと、違う意味で解釈してしまうかも・・
中心から受ける分→中心から反発力が流れる分
‘筋肉も’より中心に近い所から→‘筋肉の中も’より中心に近い所から
なのにどうして→ですので
ルンルン~♪→ランラン~♪も追加☆
以上、宜しくお願い致します。
ごめんなさい。

ぽん☆


投稿者: karen-t☆ (Jul 6, 2007 9:20:42 AM)

今日の試合はいかがだったでしょうか。
お疲れ様でした。

無いからこそ、あるということがわかる。
当たり前のことすぎて、普段感じないことって身の周りにたくさんあると思います。きっと、そのことが為末さんが表現された言葉なのではないのかな、と思います。

少し違うのかもしれませんが、私は大切な人をなくした体験から、この言葉の意味に共感できます。3年前に48歳の母が亡くなりました。病気でもなく(実際はそうだったのですが)元気だった母はいつもどおり「おやすみ~」と就寝し、翌日目を覚ましませんでした。一人暮らしをしていた私には何のことやら???月日がどれだけ経ってもどこかにいそうで、実感できません。が、帰省した時や友人の結婚式などに行くと「何でいないんだろう・・」と涙が止まらなくなります。あたり前にいた存在だからこそ、気づかなかったんでしょうね。

日常に流されて、見えないこと、見えていても考えないようにしていること、改めて向き合ってみたいものです。気づかなかった自分も発見できるかもしれませんね。

話がそれていたらすみません。長々と失礼しました。
では、次の試合もファイトー!!

投稿者: さえ (Jul 6, 2007 5:24:32 PM)

そう言えば...
昔 聞いた事があります。
ある男子高校生が
片手がないまま剣道をされているという話。

自分の苦しさと戦いながら
部活に勉強にと頑張ってたその男子生徒に
ある著名な方がやってきて
握手をするとき

その著名な方は
その男子生徒のない方の手を(服)持って
握手をされて
大激励されたようです。

勿論 その著名な方はその男子生徒の状況は
知りませんでした。

瞬時にその男子生徒の状況を読み取り
激励された事で
その男子生徒の人生は変わったそうです。

人が目にいかない所
かゆい所に手が届く人

そんなココロが結局 人に何かを与える事ができ
自分にとっても新しい何かを
発見できるんだと
感じさせられた事を思いだしました。

忘れてはいけない事ですよね。

投稿者: makoto (Jul 7, 2007 12:11:29 AM)

「無いからこそ、あるという事がわかる」
本当にそうですね。
在の前に無があるように、全ての在は無から生まれている事を考えれば、無が在を呼び起こそうとする力にはどこかはかり知れない強さを感じます。とても美しい強さね。
在が無に帰する時も私はなぜかとても美しさを感じるんですね。悲しさよりも。
無から始まって無に帰する在は、結局全てがひとつに感じてしまうからかなぁ・・
なんかおばあちゃんになった気分。100歳すぎのね。フフ。

為末さん手応え掴んだかな・・
分析楽しみ☆

投稿者: karen-t☆ (Jul 7, 2007 9:06:50 AM)

アキレス腱かぁ。
私は今、アキレス腱を断裂し、リハビリ中の身なので、負荷がかかるというのはなんとなくですが、わかります。
手術でつなげばすぐに動けるようになると、素人は思っていましたが、とんでもない!
完治半年と言われ、最初想像もつきませんでしたが、リハビリが始まると、納得しました。ほんっとにすこーーーしずつしか変化はなく、逆の足にも負担はかかり、腰も痛くなったり。筋肉も落ちたので、腱が伸びてきても支える筋肉がない。ふくらぎの筋肉とのつながりをとても感じました。そして、その筋肉は太ももに繋がっていく・・・。足の先から頭のてっぺんまで、すべて繋がっているんだと思いました。
怪我をしたことで、人間の体ってほんとによくできてるなぁとつくづく感じたし。
私は山本選手には到底及びませんが、一時的に動かなくなっただけでも、いろいろな発見ができました。
人間の体って、本当にすごい!!!

投稿者: 末つながり (Jul 8, 2007 9:30:16 PM)

アキレス腱かぁ。
私は今、アキレス腱を断裂し、リハビリ中の身なので、負荷がかかるというのはなんとなくですが、わかります。
手術でつなげばすぐに動けるようになると、素人は思っていましたが、とんでもない!
完治半年と言われ、最初想像もつきませんでしたが、リハビリが始まると、納得しました。ほんっとにすこーーーしずつしか変化はなく、逆の足にも負担はかかり、腰も痛くなったり。筋肉も落ちたので、腱が伸びてきても支える筋肉がない。ふくらぎの筋肉とのつながりをとても感じました。そして、その筋肉は太ももに繋がっていく・・・。足の先から頭のてっぺんまで、すべて繋がっているんだと思いました。
怪我をしたことで、人間の体ってほんとによくできてるなぁとつくづく感じたし。
私は山本選手には到底及びませんが、一時的に動かなくなっただけでも、いろいろな発見ができました。
人間の体って、本当にすごい!!!

投稿者: 末つながり (Jul 8, 2007 9:31:10 PM)

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