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2005.12.08

分解

 「走る」という行為を長年繰り返していると、だんだんと体に染み付いてきて、それがぬぐえなくなってきます。癖のようなものでしょうか。意識して直そうと思っても、夢中で走り出すとすぐ元に戻ってしまうのです。
 ですから、今行っているような「動き」を鍛える段階では、私は一つ一つの動きを分解して、鍛えていきます。ひとつひとつを抜き出して鍛えていき、それを2月の終盤辺りに組み立てる。そうするときれいに新しい動きになっている、といった具合です。メカニックが部品ごとに分解してメンテナンスして組みなおす作業と同じだと思ってください。
 圧力を高める。普段、皆さんが生活していて、「地面に圧を高めてやろう」なんて局面はほとんどないと思います。ですが、じつは子供の頃に体の伸び縮みでうまく圧力を加える事によって遊ぶ遊戯がありました。ブランコです。走っているときに実際、膝の曲げ伸ばしをするわけにはいきません。けれども、全身を使って抑揚をつけて地面を踏みにいくのは大切な事です。「走っている際の四肢の上下動をブランコのイメージでやろう」というのが今年のコンセプトです。くらげと言ってもいいかもしれません。体は水平移動をしているのに、四肢だけ大きく上下動して地面に効率よく圧力を加えている。そういったものを目指しています。
 「そりを引っ張る」というのは、地面を踏む際の動作。実は一昨日にハードルを跨いだり、脚を引き上げたりと、地面から脚を引き離す局面のトレーニングをしています。それから腕を引き上げる動作、下方向に押し付ける動作を昨日やりました。それで今日、そりをひっぱれば、走るという動作を三日間で組み立てたという事になるわけです。
 ちょっと独特なトレーニングですので、共感される方がいるかどうかわかりませんが。

2005.12.08 | 固定リンク | コメント (11) | トラックバック (0)

Comment

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はじめまして。為末さんのブログはとても参考になることが多いので、よく拝見させて頂いてます。
たしかに走りは体に染み付いてきますよね、そしていつの間にか自分の感覚とズレが生じてきてしまいます。ひとつひとつの修正が必要ですね。走りとブランコに共通する部分があったなんてビックリです。僕も以前、自転車に乗っているときに走りのヒントを得たことがあります。思わぬところに走りと共通することが隠れていたりしますね。

投稿者: なきネコ (Dec 8, 2005 10:05:16 PM)

こんばんは!!
為末さんはそのようなことも考えていらしゃったんですねぇ~。
ブランコですかぁ・・・・
最近は、中学校の部活(陸上部)が忙しくてそんな暇ありませんでした。
なんか、今回のメッセージを読むとなんだか、体がむずむずしてきました。
ってか、ハードルもやってみたいなぁ~と思いました。
ハードルは難しい。そんなイメージがあるんですが、プロからしてみてはだんな感じなんですか??

投稿者: 本気陸上超速 (Dec 8, 2005 10:53:02 PM)

僕は為末さんと全く逆の方法でフォームを改善しょうとしています。なので分解という考え方がとても新鮮に感じました。
今は走るという全体の流れの中で上肢と下肢の合わせ方や体重の乗り具合を探りながら練習をしています。
走っている最中に考えすぎてしまうと体が素直に動かないこともありますが…

投稿者: shinya (Dec 8, 2005 10:53:37 PM)

為末さま

最近は「圧を高める」ということで、「一輪車」をトレーニングに入れています。

重力に逆らわずに前に倒れる力を利用する。日常では知らず知らず身体を安定させる為に力が入っていたことがわかりました。

重力に逆らわずに不安定に身体を預けていくことにより地面に良い圧がかけれるようになってきました。

為末さんの「そりを引く」というのも力で引くのではなくて身体を不安定に任せて預けていくのでは?と勝手に想像してしまいました。^^

応援してます!

投稿者: Takahiro (Dec 9, 2005 9:07:07 AM)

こんばんは

わたくしごとで大変恐縮ですが、共感できた事を伝えさせて頂きます。
現在、スイミングスクールに通っています。
最初に挙げた「慣れの行動」には普段地上で生活 あるいは運動していると精神的な負荷がかかりにくく冷静であるのでそんなに大きなミスは生まれにくいです。
しかし、水中ですと呼吸がままならなくなり泳ぎ始めは意識して美しいフォームを心掛けているのですが、体力が消耗し息が続かなくなると途端に崩れます。
それを改善する為に「分解」のトレーニングをします。
水泳は当たり前ですが水中であるが故に独特のフォームです。
なので分解し易くもあります。
改善後、分解したものを組立直し以前より早く楽に感じた時、「あっ!これか!!」と。
そんな「ハマッた」時、為末選手のセルフプロデュースする気持ちがわかったような気がします。

しかし、私は「教わる」立場なので、なぜこの動きをするのか?がわからない時があり、それを先に理解する事が目下の目標でもあります。(苦笑)

長くなりましたが、全ての工程がうまくハマる事を願っております。

投稿者: 伊藤 亜八 (Dec 9, 2005 6:22:10 PM)

日本人は、良くも悪くも美しいフォームにこだわっていると思います。が、しかし他の国の人は、力?で走っていると感じています。そのうち日本の美しいフォームが、たくさん世界にはばたく日が来るのでしょうか?
かってに私がそう思っているだけかもしれませんが・・・。

投稿者: 4090 (Dec 9, 2005 8:48:42 PM)

球技でやるドリルとか呼ばれるものは、
結構「分解」ですよね。
片足で反復横飛びみたいなことしながら進むとか、
(今考えるとあれ相当膝に悪そうですが)
クリスクロスって腰捻りながらステップするのとか。
ただ具体的な完成像を想定しながら、
部分的に組み立てていくという思考作業は、
当時してなかったなと思います。
でも、為末さんがやっておられるのは、
その上を行く「分解の分解」だと思います。
そこまで突き詰めたトレーニングは、
今までやったことないなあというのが正直な感想です。
面白いですね。

投稿者: コースケ (Dec 9, 2005 10:45:51 PM)

こんばんは。

四肢の上下動がブランコに結びつくなんて、すごく驚きました。
私はブランコが苦手でした。よく考えると、バランスとリズム感が悪かったのではないかと思います。
いえ、思うのではなく、あきらかに悪かった。
最も力を溜めるところで足が伸びきっていたり・・・。

為末さんのブログで、昔の苦手な物を思い出すとは思いませんでした。

今回も、納得のメッセージでした。

投稿者: さくら (Dec 10, 2005 12:52:56 AM)

為末さんこんにちは

今回の「分解」というメッセージ、以前の「知識の流れ」というメッセージの中で、「圧力を高める」今年のコンセプトについて触れていらっしゃいました。

そこで気になったのですが、為末さんは「ナンバ走り」、という走り方をご存知でしょうか?

なんでも江戸時代以前の走りの名人は現代の一般的な走者とは全く異なる走り方をしていたらしく、ナンバ走りこそは、それら江戸時代以前の名人が駆使していた走法であるらしいのです。

らしい、というのは、それを復元しきれているのか否かがハッキリしないためであって、しかし確かに、明治時代に西洋から伝わって今に至る、一般的な走法とは、力をかける方向などすでに根本なところからこの「ナンバ」と称される走法は違っているそうです。そして、もちろん走者にとって利益となる走法であるようです。

為末さんは走りの専門家ですから、すでにご存知の内容かと思いますが、そうであるのならば逆に、「ナンバ」について為末さんの考えを是非書いていただけたら、と思います。

日本の伝統の走りを再現したら、それこそ侍ハードラーですね。

投稿者: 白石玲音(レオ) (Dec 10, 2005 3:00:53 AM)

こんばんわ 私は高校生を指導しています。
動きを分解して考える事は、とても大切で有効な手段ですね。私も高校生にフォームの事などを指導するとき、動きを分解して理解させようとします。でも子供たちにとって、自分の動きを頭でイメージして、「分解する」という作業がとても難しそうですね。ですので、ビデオを使ってやる事が多いです。それから、レベルの高い選手ほど自分の動きをイメージする力も優れているように思います。

為末さんくらいのレベルなら、自分の動きがコマ送りのようにシュミレーションできるんでしょうね。

投稿者: 5093 (Dec 12, 2005 2:16:52 AM)

為末選手、こんにちは!

熱き心の伝道師 関達也です。

分解して鍛えていくんですね~

確かにそうすれば、クセも改善されそうですね。

ビジネスでもいろんな分析が必要ですが、それと似ている感じですよね。

ブランコからヒントを得るとはさすが為末選手ですね!

投稿者: 真の成功☆熱き心の伝道師 関達也 (Dec 12, 2005 4:29:13 PM)

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